「飯島咲子です。」

「そうか。

とにかく、こいつが家に来るなら俺は独り暮らしをするぞ!!」

「ダメだ…

独り暮らしなど許せるか!」

「何でだよ!!」

「お父さんが寂しいからだ!!」

「だからそのベッタリしてんのが嫌なんだよ!!

いい加減に子離れしろよ!!」


「そういうお前はなんだってそんなに親離れしたがるんだ!!」

「それが普通だっつーの!!」


「あの…」

咲子が言う。

「論点がずれてます。

結局、私が泊まるのはどうなりましたか?」


「大歓迎だ。」
「今すぐ出ていけ。」


「…。

どっちですか?」


「おい、アホ親父…

常識的に考えておかしいよな?

いきなりこんな奴を泊めるなんてよぉ?」


「ダメ息子は冷たいなぁ?

身寄りもない16歳の少女を見捨てる気か?」


「16?

咲子…お前の年は?」

「16歳です。」

「さっき13って…」

「駅裏では13です。

そっちの方が高く買ってくれますし油断するので。」

「は!?


何だそりゃ?


とにかく、こんな売春まがいのことをやってる奴と一緒なんて嫌だ!」


「ワガママを言うな!!」

「だったら俺が家を出ていく!!」

「許さん!」