「それで…俺を呼んだ理由は?」


『この怪物を討伐してほしい。』

「…。」

『吸血鬼が束になっても捕まれば終わりだ。


勝機は0に等しい。

もちろん、この怪物は怪力の持ち主だ。

車などを簡単に破壊する。


だが、吸血鬼が挑むよりも君が戦う方が勝機はある。


頼む!!

我々に力を貸してくれないか?

いや、是非とも力をお貸しください!』


男性はモニターの向こう側で土下座をする。


「…。

考える時間がほしい。」

『ああ。

もちろんだ。


ただし、長くは…』


「わかってる。

話は終わりか?」

『ああ…』

「じゃあ。

榊さんも、また。」



幸大はその場を後にした。


「彼は若いですから…命を賭けるようなことを決断させるのは酷かもしれませんね。」

榊パパが言う。


『うむ…

人間が挑めば勝ち目はほぼない…が、彼の能力ならばある程度は戦えよう…

そうすれば何か策が見つかるかもしれない…』

「幸大君を捨て駒にするおつもりですか!!」

『そんなわけがない…


だが…事実…彼の能力を持ってしても勝てないかもしれない。


彼の判断をまずは待とう。』

「はい…。」