休日


駅前


「はぁ〜。

最近は吸血鬼に付きまとわれてたから久々に自由になった気分だ。」

特に意味もなく駅裏を歩いたのが運の尽き…

そもそも明らかに別世界な感じの駅裏は一言で言うなら無法地帯とか危険地帯。

「…。」

ヤクザや不良がいるわけではない。


むしろ居るのは女性ばかりだ。


幸大に手招きしたりジーッと見る女性たち。



幸大は駅裏を通過し終わるギリギリラインまで進んだが…



「あの…」

座り込んでいる少女が幸大を呼ぶ。


「一泊二日、食事付きで私を買いませんか?」


「は?」

「ですから、私に泊まる所と食事をください。

そうしたら私を好きにしても良いですよ?」


「悪いがまだ高校生だし親と暮らしてるから買えない。

じゃあな。」

ガシッ。

上着を掴まれた。

「そこをなんとか。」


「無理だ。」

「後悔しますよ?」

「何で…」

「私、自分でも美人な部類に入ると思います。

そんな私が食事と寝床であなたのモノになるんですよ?」


「最近の俺はモテキか?

美女に言い寄られるし…


つーか、お前の歳は?」


「13歳です。」

「何でこんな場所にいるんだよ…」

「身寄りのない家出少女です。」