じゃらっ…

「ん?」

幸大が目を覚ます。


幸大の手は縛られ天井から吊るされていた。

「鎖か。」

幸大が言う。

「起きたかしら?」

姫野の声。

周りを見ると全員が幸大と同じ状況だった。




「目覚めたかね?」

男の声。


「あ…」

マリアが驚く。

「ふふふ…久しぶりね。」

女性の声。


「マリア…知り合いか?」


「ああ…知ってるよ…」

マリアは声の主である男女を見る。


「私の両親だ…」


「「えっ!?」」

全員が驚く。

「何の用だ!!」

マリアが怒鳴る。


「貴女みたいなでき損ないに用はないわ。

私たちが用があるのは…

蒼月の眼の吸血鬼、

飯島咲子。


それから…そこの人間の少女よ。

貴女、名前は?」


女性が言う。

「沙羅…です。」


「その二人に何か用があるのかしら?」

姫野が言う。

「こういうことだ。」

男性が言う。

ギンッ!

周囲の暗闇から蒼き眼が光る。

「何人…いやがるんだよ…」

幸大が言う。

「50人ほどだ。

我々は蒼月の眼の吸血鬼の一団。

吸血鬼の中で最も高貴な存在。」


「だから、蒼月の眼の咲子ちゃんを仲間にしたいんですか?

だったら沙羅ちゃんは関係ないはずじゃ…」

桂木が言う。