「怖かったか?

怖かったよな…

俺だって初めて吸血鬼に襲われた時は怖かったからな。」


「うっ…


うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」



「よしよし…」

幸大が沙羅の背中をぽんぽんと叩く。






数分後


「すぅっ…」


静かな寝息をたてて眠る沙羅の姿があった。



「マリア…毛布をとるぞ。」


幸大はマリアを起こさないように毛布をとると二人を並べて寝かせ毛布をかけた。


「まぁ、もう夏だから毛布をかけなくとも寒くはないと思うけどな。」




ガチャッ!

部屋の扉が開いた。


「幸大君…どうかね?」

「あ…

仲良く寝てます。」


「何?


…。

あれほど警戒していた二人が…


君に頼んで正解だったな。


じゃあ、君もそろそろ帰った方がいい。」



部屋を出ると榊パパが時計を見せる。


「もう10時…ですか。」

「家まで送ろうか?」

榊パパが言う。


「いえ、大丈夫です。」

「そうかい?」

「はい。

その…マリアの拘束はもうしないでください。」

「マリア?

あの吸血鬼の少女はマリアと言うのか…」

「人間の少女は沙羅だそうです。」


「まぁ…二人が仲良くやるならば拘束はこちらもしないさ。」


「じゃあ、俺はこれで。


また明日。」