バイト当日


幸大は榊パパとともに大きなビルに来た。



「榊部長、お疲れさまです。」

白衣を着た男性が頭を下げる。

「ああ、お疲れさま。」

榊パパが軽く右手をあげながら挨拶を返す。




「えっと…部長なんですか?」

幸大が言う。


「おや、言ってなかったかい?


メンタルケア部門の最高責任者さ。


そうでなければいくら幸大君とは言え私の一任や二つ返事で手伝わせるわけにはいかないさ。」



二人はエレベーターで地下へと移動する。



「ここが私の職場だ。」


そこには複数の白衣を着た職員がいた。


「部長、その後ろの人は?」


職員が言う。


「彼は人間さ。」


ざわっ…


一斉にこちらを見る。


「新しい患者…じゃないみたいですが…」


「幸大君は娘の友達であり血の提供者。



そして、将来の息子だ!」


「いや、その紹介は不要ですから!!」


幸大がつっこむ。


「で、彼には私の患者のケアを頼もうと思ってね。


そう言うわけで皆、よろしく頼むよ。」


「よろしくお願いします。」


幸大が頭を下げる。


「さて、さっそくだがこっちだ。」

榊パパが移動する。