「そんなの良いじゃない。

吸血鬼にとって血は日本人の白米と一緒なのよ。

三食のうちに最低一食は白米…ってのが良いのよ?」

「現代はパン食が増えているし、若者はファーストフードで済ますのが急増してるぞ?」


「あんたねぇ…

私みたいな美女が言い寄ったら普通はデレデレして従うでしょ?」


「悪いな。

俺は現実的に考える方だから美女が言い寄ったら何か裏があると常に思っている。」

「はぁ…

私とあなたの仲じゃない…」

「それはアレだな。

お前の言葉を借りるならば、

一度血を吸わせたからっていい気にならない方が良い。」


「腹立たしいわね…」

「じゃあ…俺は眠いんでな。


今のうちに他の血をたくさん持ってそうな奴を選んどけば良いだろ?」

「普通の人間の動脈からは吸えないもの。

あなたにはわからないでしょうね。

あの動脈血の美味しさが。」

「吸血鬼じゃないからな。」


「あの滑らかで極め細やか感触。

切れの良いのど越し。

しつこくなくサラリとそしてごく自然に体内に浸透する感覚。


できるなら一生吸っていたい…

動脈血の海に溺れたいとさえ思える素晴らしさ。

思い出すだけで興奮ものよ?」

幸大はしらけた目をする。

「献血車にでも言って鮮度の落ちた静脈血でも飲んでコメントしてろ。」

幸大は教室に戻り眠る。