「これ…どういうこと?」

「山下さん…その…」



「何が入ってるのよ?」

姫野も冷蔵庫を見る。


「…これ…。


何となく予想はしてたわ。」

姫野が言う。


「ええっ!?」


クーニャが驚く。

「クーニャさん…勘づいてなかったんですか?」

咲子も冷蔵庫を見る。


「咲子ちゃんも知ってたの!?」

クーニャが言う。

「あくまで予想…です。」

咲子が言う。


「いったい何が入ってんだ?」

幸大が立ち上がり冷蔵庫の方へ行こうとする。


「ダメ!」

ぎゅっ。


桂木が後ろから抱き締めて止める。

「先生?」

「お願いだから…見ないでほしいの。」


「先生…」


「幸大君。」

クーニャが呼ぶ。

「ん?


って…それは?」


「山下さん…」



クーニャは輸血用の血液パックを持っていた。

「先生…何で冷蔵庫にこんなのがあるのかしら?」

姫野が言う。


「保存法のことをとやかく言ってるわけではありませんよ。」

咲子の要らぬ補足説明。

「先生…取り合えず座りましょう…


その…胸が背中に…」


「あ…。

ご、ごめんなさい!?」

「いえ、俺としては役得でしたから。」