土曜日


「この辺なんだけどなぁ〜。」

クーニャがメモを見ながら言う。

「そもそも、住所じゃなくて地図を描いてもらいなさいよ。」

姫野が言う。

「だってぇ…

先生が地図を描くのが苦手だって言ったんだもん。」

クーニャが言う。


「こっちですよ。」

咲子が言う。

「知ってんのか?」

幸大が言う。

「昔はこの辺りに住んでましたから。」

咲子が言う。



「桂木…

ここね。」

姫野が表札と住所を見ながら言う。




インターホンを押すと桂木がドアを開けた。

「いらっしゃい。

さ、入って。」


桂木が言う。


「お邪魔しまーす!」

クーニャが一番先に入る。

「お邪魔します。」

姫野、幸大、咲子も続いて入る。


「適当に座ってね?

飲み物はコーヒーで良いかな?」


「お構い無く〜。」

クーニャが言う。




コーヒーを持ってきた桂木が座る。


「えっと…

桂木先生、お願いします。」

幸大が頭を下げる。

「うん。


じゃあ…わからないところは訊いてね?」




数時間の間、クーニャと姫野のみ質問をした。


「岡田君は質問とかはないのかな…」

「まぁ、だいたいは時間さえあれば答えれるので。」


「そう…ぐすっ。」

桂木が寂しそうに呟いた。