「おい…

私はいったい…」

リビングに榊パパがやって来た。


「目が覚めたのね?」

榊ママが言う。

「む…貴様は!!」

幸大を見て言う。

「ほら、あなたも座って。

話くらい聞きましょう。」





放課後から先ほどまでのことを話し終えた。



「まっことにすまなかった!」

榊パパが謝る。

「いや、そんな…」

「娘を気遣い、血も分けていただき…

なのに襲ってしまい、返り討ちにされ、家まで運ばれ…



この非礼をどう詫びればよいか…」

「いや…」

「幸大君、お詫びってわけじゃないけど夕食でも食べていかない?」

榊ママが言う。

「いえ、親が心配しますから、この辺で…」

ガシッ!

榊パパが幸大を掴む。

「このまま返せば我が家の沽券に関わる。

是非、食べていってくれ!

家には電話をしてな?な?」


「良いじゃない…

母さんの料理は絶品よ。


それに話したいこともあるし。」

姫野が言う。


「わかりました…じゃあ…御馳走になります。」







「夕食ができるまでにあなたに話しておくことがいくつかあるわ。」


「なんだ?」

「まず、あなたの能力は他の吸血鬼には話さないこと。


本来なら一人の人間に複数の吸血鬼が襲うことはないわ。」