『はぁ…はぁ…』
たどり着いた先はもちろん純の家。
『着いたけど…』

あぁもうっこんなところで
クヨクヨしちゃって…
いつもの強気な私はどうしたっ!?
こんなときばっかり弱気な私ばっかり
顔をだすんだろう…

そんな事ばっかり考えてると

『美来っ?』

『じゅんっ…!?』

振り向くとそこには街灯に照らされた連がいた…

『れんっ…』

『わりいな。純じゃなくて、』

笑った顔も昔のまんま。
幼い…あどけない 笑顔はまだ抜けない。

『どうしたの?連。』

『美来こそどうしたんだよ‥じゅ…純の家の前で…』

『いやっ…てかっ連には関係ないじゃん!帰りなよ!』

グイッ…

『……!!!?』

その瞬間私は連に抱きしめられていた。

『れんっ!?離してよっ!!』

『美来…電話で言ったけど、お前の事好きなんだ…なぁ…返事は?』

“離してよ”って言っても話しても離してくれない…強く…強く…私を抱きしめる。


『…………連離して。』

『嫌だって言ったら?』

『…離してっ!!』

力強く押し退けると今度は唇に違和感。
ニヤッと笑ったその顔のなんとおぞましい。
血の気が一瞬にしてひいた。
もう昔の連ではなかった。
もう昔の連の笑顔は見れないような気がした…
好きな女にこんな勝手な…

抱きしめる…とか…キ…キスとか…
昔の連はもっと優しかったはず…
こんなこと絶対しなかった。

『どうしてっ…どうしてっ…』
もうどうしていいか分からなくて勝手に涙がアスファルトの上をポタポタと…

もう止められない。
溢れ出した涙はもう止められなかった。