あたしは校舎の中に入った。
中にいるのは、不良、不良、不良。
ほぼ全員不良じゃないか!
大丈夫か、この学校……。
しかもなんか変な目で見られてるし。
何?あたし可笑しい?
「ねえ君。
こんなところにいたら危険だよ?」
オレンジ色の髪で、ニコリと微笑んだ笑顔……。
なんか笑顔に違和感がある。
「なんで?」
あたしは二つの意味を込めていった。
一つはなんで危険なのか。
もうひとつはなんで笑うのか。
「襲われちゃうよ?」
表情を変えず、そう言った。
だから女子がいないのかぁ。
まぁ不良しかいない学校なんてやだよね。
「あたし、理事長室に行きたいの」
誰が理事長なんだろう。
そんな疑問を持ちながら、呟いた。
「そっかぁ。じゃあ案内してあげる」
雰囲気からしてこの人優しいなぁ。
怖い人ってことはなさそう。

