「本当に!?」
「うん」
「よし、じゃあ早速かけちゃえっ」
少し緊張しつつ、一歩踏み出して
深呼吸したあと、声をかけた。
「りゃ、…リョウヤぁ……」
「ちっちゃ!!そして噛んだ!!」
頑張って、精一杯
絞り出した声はとても小さくて
更に見事に噛んでしまって
ユキちゃんに突っ込まれた。
こんなんじゃ聞こえないよね…と
肩を落として、振り返って
やっぱりユキちゃんに
声をかけてもらおうと頼もうとしたら
「おうユメ!どうしたん?」
リョウヤの声が背中に飛んできた。
驚いて振り返るとそこには
楽しそうな笑顔を浮かべるリョウヤが
立っていた。
「きっ聞こえたのっ!?」
「おう!さっき呼んだやろ?」
「あんなちっちゃいのがっ!?」
「俺はユメの声ならどんなんでも聞きとれんねんで♪」
「………////」
「まぁ、ちっちゃすぎるけどな。さっきのは」

