「…思ったより人気者だし、あたしなんかより可愛い子たちに囲まれてるから…」


「でも彼女なんだから自信、持とうよ!」


「でも…」


ユキちゃんに励まされても

まだ怖じ気づいているあたしを見て


「じゃあ、あたしが声かけるから、ここまで来てもらお!」


「うん…ありがとう」


ユキちゃんに頼ってばっかりだな。

ここまで来たのもユキちゃんの

おかげなのに呼ぶのまで

やってもらうなんて…



だめだよね。こんなの。



…やっぱり自分で呼ぼう。


と決意しユキちゃんに声をかける。


「あ、ねぇ、ユキちゃん!!」


正に今、リョウヤに

声をかけようとしていたユキちゃんは

ん?と身を乗り出したままで

顔だけこっちに向けた。


「あの、やっぱりっ、いいや」


「え?報告しないの?」


「そうじゃなくて!…自分で声かけてみようかなって」