こんな小さな事にでも俺は幸せを感じられるんだ。
乗り換えをした後、俺達は人ごみの中、いろんな話をした。
俺は彼女のことを知りたい。
俺は乗り換えをした後は駅を2つしか越えない。
聞けば、彼女は俺より三つも先の駅で降りるらしい。
「まもなく……」
「あ、俺ここだから」
――まだ降りたくない
帰宅を諦めてでも俺はもう少し彼女といたい。
「そうなんだ。なんかさみしいね……、また会ったら話そうね」
「あぁ、」
最後に彼女から出た最強の言葉に俺はつい素っ気ない言葉を返してしまった。
そして俺は彼女に、“あとでメールする”という意味をこめて、携帯を持ち上げて、振った。
まぁ、素直に彼女に手を振るのが恥ずかしかっただけなのだが。
降りる直前、彼女をチラリと見れば笑顔で俺に手を振っていた。
俺は照れてしまって、また素っ気ない態度をとってしまった。