それから毎日、同じ時間、同じ車両にのり続けた。
もしかしたら会えるかもしれない、なんて淡い期待を持ちつつ。
もともと毎日彼女が現れるわけではなかった。
彼女が現れるのは不定期で、よけいに何をしているのか気になるだけ。
俺が彼女のキーホルダーを拾ってから1週間が過ぎた。
その間、彼女は一度もあらわれない。
俺はこんなにも会いたいと思っているのに。
今日で最後にしよう。
そんなことはいつまでたっても思わなかった。
俺がこんなにも何かに執着するのは初めてで、正直自分でも戸惑っていた。
「……やべぇ」
俺、相当ハマってる。



