置き勉賛成派の俺がこんなにも重たい荷物を持ちかえるのには、それ相応の理由があった。




……冬休みだ。


明日から冬休みが始まるのだ。


高校生にもなって計画性がない俺は、蓄めてしまった教科書をかなり一気に持ち帰ることになってしまったのだ。


大量の教科書と、部活の練習着に弁当に水筒。


あぁ、重い。


その荷物をもった俺はようやく学校の最寄り駅にたどり着いた。


ドサッ


肩にかけたままでは肩がちぎれると思った俺はカバンを地面に置いた。


時計を見ればもうすぐ7時。


まわりを見れば誰もいない。


そりゃそうだよな。



今日は部活が無いところのほうが多いからな。



『危険ですので黄色い線の内側でお待ちください』


このアナウンスが聞こえてからだいたい十秒。


それから俺はカバンを持ち上げた。


これくらいがちょうどなんだ。


ちょうど電車が入ってくるのとほぼ同時。