駆け込み乗車はお止めください




そして彼女は驚くべきことを言った。


「あ、隣いいですか?」







「……っ、あ、どうぞどうぞ」


心の中はもうパニックだ。


いつも見ていた名前もしらない彼女と今話をしていて、隣に座ってくれる。


それがどれだけ奇跡に近いか。


「あたし、あぁいう仲のいい老夫婦見るのが好きなんです」


座っても彼女はあの老夫婦にちいて語る。


そうとう好きなんだな……ってよく分かる。


「年をとってもお互い好きでいられて、それであの老夫婦もきっと健康のためとかで一緒に歩いてて、一日のこととかを話したりするんです。ま、あの老夫婦がどんな話をしているのかなんて分からないんですけどね」


饒舌。
マシンガントーク。


そんな言葉が彼女には似合う。



「あ、すいません、こんなに話しちゃって……」


唖然といている俺に気付いたのか、彼女は照れながら心配そうに俺を見た。


「いえ、そんな風な考え、俺は好きですよ。年とっても二人で仲良く縁側とかでお茶飲みたいなぁとか思いますもん」


年寄りか!って自分で突っ込みたくなるような発言だった。