まだ、恋というものを知らなかったあの頃から、月日は流れている。


大学1年になった今日。


私は大きな大学に唖然としていた。


「え…なに、この広さ……」


思わず立ち尽くしてしまった。


「優波ー!!」


後ろから聞こえる私を呼ぶ声は、聞きなれたあの声。


「遅いよ、和奈」