「俺は、俺のことをそう思ってくれる優波が好き」


「最初は、ただ見た目が好みだっただけなんだけど…」


と、苦い顔で本当の事を打ち明けた。


「でも、今ではどんな優波でも、優波の全部が好き」


そう言った先輩は、ニコッっと笑った。


そして、私の手をとってぎゅっと握った。


だんだん熱くなる手から、“好き”が伝わる。


先輩からの気持ちが、私の手のひらに流れ込んでくるようだった。