「気にすんなよ」


急に言われた主語のない言葉。


「なにをですか?」


首をかしげながら先輩に聞いた。


「映画。…優波のせいじゃないからな」


え…


もしかして声に出てた!?


「え、な……なんで分かるんですか??」


「分かるって…何が?」


「私の考えてたこと…」


すると先輩は一歩私に近づいて私の髪をクシャっと撫でた。