「ん?」


私の声で振り返った先輩の表情は……


すごく穏やかで優しい瞳をしていた。


安心した私は、


「なんでもないです…」


と、小声で言った。


…なんだ。


先輩、別に怒ってないんだ。


そう思った私の足取りは軽くなっていた。


でも、どこに行くんだろう…。


映画は私が無駄にしてしまったし…。