「やっぱ混んでんなー」


映画館に着いた私達は、周りを見渡した。


「俺、チケット買って来るから待ってて?」


「はい」


先輩の姿が人ごみにまぎれて見えなくなった。


5分経っても、10分経っても戻ってこない。


「…先輩」


気づいた時にはそう呟いていて…


しゃがみ込んでうつむいていた。


「優波??」


心配そうな先輩の声が私の頭の上から聞こえる。


「れ、い…先輩」


「どした!?どっか痛いのか??」


先輩…


先輩はとっても素敵な人です。