「…もう大丈夫!」


そう言って笑うと零は、


「ふっ、可愛い」


なんて言いながら私の頭を撫でる。


久しぶりの零の温もりが、すごく嬉しかった。


「…零、お誕生日おめでとう」


急に言いたくなった言葉。


「…覚えててくれたんだ」


静かな声で、零は確かに呟いた。


「当たり前でしょ?」


零の誕生日は、私にとっても特別な日だから。


きっと、いつまでたっても忘れない。