テレビを観ていると、なんだかいい匂いがしてきた。


「いい匂いがする」


私のそんな小さな独り言に気づいたのか、零は


「待っててな、もうすぐだから」


と言って、優しく微笑んだ。


なんだか久しぶりに、ドキドキした。


まるで、高校生の時に戻ったみたいだった。