「ただいまー…、え?優波!?」 調理しかけの台所と、ひどい顔をしているだろう私を見て、零は心配している様子だ。 「大丈夫か…?」 優しい声が聞こえれば、私の目からは当たり前のように涙が溢れる。 「……れ、零っ!」 ぎゅっと零に抱きつけば、零も私をぎゅっと抱きしめてくれる。 この体温と、 この力強い腕と、 安心する零の香り。 子供のように泣きじゃくる私をあやすように、ずっと抱きしめていてくれた。