「いってらっしゃい」


その言葉が嬉しい。


手を振って玄関を出ようとした時、


「優波、なんかついてる」


そう言って引き止められた。


零のところに行くと


「ひっかかった」


なんて楽しそうな顔をして、私にキスをする。


なんか…


零じゃないみたい。


「い、いってきます」


赤くなった顔を見られないように、私は急いで部屋を後にした。