言いたいことを全部言い終わったのか、彼は駐車場に向かって歩いていく。


私はと言うと、その場から動けずにいた。


ただただ、彼の後ろ姿を見つめて。


「いつまでそこにいる気?おいてくぞ」


そう言って笑った。


「…っ、ねえ!」


私の声に気づいたのか、彼は振り返って次の言葉を待っている。


「その…あ、ありがとう!」


彼は一瞬驚いた顔をして、


その後にやわらかく笑った。


…ありがとう。