「あ、の…!?」


「じゃ、こんどこそまた明日」


先輩は手を振って私の前からいなくなった。


私の体温を上昇させて。


「なんか…ズルい……」


私が恋愛初心者じゃなかったら…


こんなにドキドキしないものなのかな?


火照った顔を覚ましながら和奈に電話をかけた。


ボタンを押す手には、先輩のぬくもりが残ってて


小刻みに震えるこの手で、


ボタンを押すのは難しかった。