「暗いし、送ってく」


そう言って私の前をスタスタと歩き始めた。


「そう言えば…」


「ん??」


「私もあなたの名前知りませんけど…」


私の事ばっかり言ってたのに、自分だって名乗ってないじゃん。


心の中で文句を言った。


声に出したら、何されるか分かんないし。


「あ、俺?」


「あなた以外、いませんよね」