「下の名前で呼ばないで下さい!お願いします」


「じゃー神崎な」


「はい」


“優波”


そう呼ぶ声があまりにそっくりで…。


まるで、先輩に呼ばれたかのようで…。


これ以上、期待したくない。


これ以上…


思い出して苦しくなりたくないの。


「結局、強くなれてないよ…私」


この男に聞こえないほどの小さな声で呟いた。