「姫乃、もうちょっと表情明るくしようよー」
唯は私の緊張をほぐしてくれるかのようにたくさん話しかけてくれるけど、私はずっと緊張しっぱなし。
だってカメラマンさんとかスタッフさんとか、こんな大勢の人の前でポーズ決めなきゃいけないんでしょ??そんなの初めてだし…

「姫乃、もう少しリラックスして大丈夫だよ」
緊張している私に話しかけてきたのは…海星くんだった。
撮影衣装に着替えているからさっきと服は全然違っていた。
「姫乃はいつもどおり笑っていれば大丈夫♪」
いつもの笑顔で緊張をほぐしてくれる。
「姫乃ちゃんと唯はいってー」
スタッフさんからの声がかかる。
「わかりましたぁー」
唯はなれたように入っていくけど、どうしても緊張してしまう。
「頑張れっ」
海星くんは私の頭を軽くなでて背中を押してくれた。
「う…うん」
自信なさ気に返事をしてスタッフさんの元へ急いだ。

「いい表情だよー」
カメラマンさんの声が響く。
「姫乃ちゃん、本当に初めて??」
瑠璃さんが私に問う。
「はい…」
俯きながらそう答えると
「初めてとは思えないわ。表情が豊かなのよねぇー。」
微笑みながら瑠璃さんは言う。
これは褒められてるんだよね…??実感がわかないんだけど(笑)
「やっぱり姫乃は違うんだよな…」
海星くんが呟く。
「何が…??」
私はそう聞いたけど、なんでもない、といわれて話は終わった。

「あ、そうだ。姫乃ちゃんにもあだ名つけなきゃだよね。」
瑠璃さんは思い出したかのように言う。
「じゃあさ、姫って言うのは??姫乃名前可愛いし、お姫様みたいだしっ」
唯はそういう。
「そうね、姫乃ちゃん、これからは姫でもいいかな??」
瑠璃さんは私に聞く。
「はいっ」
それに対して私は笑顔で返す。
今思ったけど、結構楽しいな♪海星くんとも近づけたし、これから楽しくなりそう。
期待が私の胸を大きく膨らませていた。