ついに約束の土曜日がきた。
私が普段着ている洋服はギャップがすごいといわれる服だったけど、逆におしゃれだって褒められたときもあったからいつもどおりにすることにした。

「お待たせっ」
海星くんが私の家にきた。
海星くんはロゴの入ったTシャツにジーパンというラフな格好だったけどそれでもおしゃれに見える海星くんはすごいなと思った。
「姫乃、可愛いじゃん」
笑いながらそういってくれた。
今日の私の服は、赤チェックのワンピースにベストを羽織って、黒のブーツをはいていた。
「やっぱり姫乃誘ってよかったぁ」
よくわからないけど喜んでくれたみたい。
「でも、私なんかがお邪魔して大丈夫かな…」
心配そうに呟くと
「大丈夫、姫乃はいつもどおりリラックスしてて?何かあったら俺に聞いて?」
海星くんがそう言って微笑むと私の心の中はぎゅっと締め付けられるような感覚だった。
これが恋なのかな…。そう思いながら撮影現場に向かった。



「お疲れ様ですー」
ドアを開けて中にはいる海星くんの後を追って私も中に入る。
「お疲れ-…ってその可愛い子誰!?彼女!?」
スタッフさんと思われる人が海星くんに話しかける。
「違いますよ。彼女は桜庭姫乃。この間紹介した僕の学院の副会長です。」
丁寧に私のことを説明してくれる。
「桜庭姫乃です。」
一応名前だけ名乗ってみる。
「私は相川瑠璃、この雑誌の編集長よ」
そういって微笑む。
「そうねぇ…予想以上に可愛いからちょっとお話聞かせてもらうかな?」
瑠璃さんは私に言う。
「あ、わかりました」
戸惑いながらも返事をして瑠璃さんの後についていった。