舞台は2100年の日本の一つの都市。

その都市は他の都道府県などから隔離された環境にあった。


その都市が隔離されている目的については誰も知らないが、企業が多く入っていることから経済特区と同じような扱いだという話が有力な説だ。

そして、その都市には一つの特色があった。

その都市には、警察が存在しないのだ。

企業が多く入っているため、警察が干渉するのを面倒くさがったという説もあれば、そもそもこの都市自体が警察が厄介払いに作ったものと言う説もある。

ともかく警察が存在しない為、都市完成後3年間は犯罪者が蔓延り放題だった。

状況が変わったのが、都市が完成して4年たったころだ。

犯罪が蔓延る状況に怒りを感じた二人の男が、二つの学校を都市内に立ち上げた。

都市内に学校があるのはそれほど珍しいことではないが、その学校で教えることはかなり珍しい。

それが<赤桜学園>と<月影学園>の二つであった。

二つの学園は16歳で入学でき、1年から4年までは普通の学校の授業と軍事教練を受けることになる。

そして5年になると<学園警察>と呼ばれる組織に入隊が認められ、警察権限を持つことになる。

また、それとは別に3年修了時に成績優秀だったものは、特殊部隊への入隊となる。

そんな『正義の味方』だったはずの学園への入学が決定したのが、3月の中旬だった。