天神学園高等部の奇怪な面々Ⅹ

危険な自白剤が、危険な男に渡ってしまった。

ある意味殺人兵器がテロリストに渡ってしまったかのような展開。

しかしヴリトラは用心深い男。

そう簡単に行動は起こさない。

自白剤を制服のポケットに忍ばせたまま、彼は3年生の教室へと向かう。

そこにいたのは長くウェーブのかかったスタイル抜群の金髪美女。

「あぁ、いたいたぁ」

ヴリトラは手招きする。

「ん?」

彼女は肩に鞄を提げたまま教室の入り口へ。

「誰あんた?」

「天スポの編集長をしているぅ、ヴリトラっていうんだよぉ」

お人好し『そうな』笑顔を浮かべる。