大量吐血で痙攣しつつ。

「いいっ…実にいいよヴリトラ!」

よろめきながら博士は立ち上がる。

「お前の作戦非常に気に入った。弟の奴があの生徒会長の傘下に入ったと聞いた時は血を分けた肉親ながら失望したものだが…お前のような話の分かる人間もまだいたのだな」

「まぁねぇ…」

ニヤニヤ笑うヴリトラ。

如何にも悪者然とした表情だ。

「しかし…」

博士も馬鹿ではない。

今日出会ったばかり、素性も知らないヴリトラの持ちかけたプランを、気に入ったからといってすぐに実行などしない。

「ヴリトラ、天スポの編集長であるお前が、何故そんな犯罪行為を僕に持ちかける?お前は白神 月に恨みでもあるのか?」