「龍太郎、美葉はどこへ行ったっ?」

血相変えて叫ぶ筱萠。

「知らねぇよっ、俺に訊くなっ!」

「そうは言ってもおめぇさんがこん中じゃ一番美葉と付き合い長ぇだろっ」

宜虎も詰め寄る。

「そうだよぉ、丹下 龍太郎の嗅覚で何とかぁ…」

ヴリトラの言葉に。

「俺ぁ犬かっ!」

龍太郎がズビシ!と突っ込む。

(どうでもいいからもう帰らせてぇえぇぇえっ!)

魂の叫びを内面に轟かせる遥。