天神学園高等部の奇怪な面々Ⅹ

そのよき部下が。

「…会長、これを」

眉をハの字にして月を見る。

手には仰々しい見出しのスポーツ新聞。

いや、今朝の天スポか。

「うん?何です副会長?」

月は盲目だ。

当然新聞など読めない。

普段ならばアルフレドが内容を読んで聞かせる所だが。

「…………」

流石の有能ナンバー2も、この文面は読むのに憚られる。

『生徒会長に恋人疑惑!』

『週六回、人目につかない校舎の一角でお忍びデート』

『文化祭、体育祭、修学旅行のいずれかのイベントで愛を育んできた模様』

『左の薬指にはペアリング』

紙面にはそんな文字が躍っていた。