そのまま鍔迫り合いに入る両者。
「……」
対峙したまま、翡翠は宜虎の握るその得物を見る。
「…表裏に棒樋の彫刻あり…地鉄、板目肌に地沸付き強い…刃紋、小沸付く互の目乱れ、刃中匂い深く足入り、砂流しかかる…帽子、先、少し掃け心に小丸く返る…茎、うぶ茎、化粧に筋交いヤスリ…」
「なぁにブツクサ言ってやがらぁ」
睨みを利かせる宜虎に。
「成程…確かに『上総介兼重』…藤堂平助の愛刀と呼ばれた一振りだ」
翡翠は歓喜ともとれる笑みを浮かべる。
直後。
「っ!」
宜虎を鍔迫り合いのまま押し返すほどの膂力。
「血が滾るぞ小僧…こんな銘刀と、俺の川蝉を交える事が出来るとはな」
「……」
対峙したまま、翡翠は宜虎の握るその得物を見る。
「…表裏に棒樋の彫刻あり…地鉄、板目肌に地沸付き強い…刃紋、小沸付く互の目乱れ、刃中匂い深く足入り、砂流しかかる…帽子、先、少し掃け心に小丸く返る…茎、うぶ茎、化粧に筋交いヤスリ…」
「なぁにブツクサ言ってやがらぁ」
睨みを利かせる宜虎に。
「成程…確かに『上総介兼重』…藤堂平助の愛刀と呼ばれた一振りだ」
翡翠は歓喜ともとれる笑みを浮かべる。
直後。
「っ!」
宜虎を鍔迫り合いのまま押し返すほどの膂力。
「血が滾るぞ小僧…こんな銘刀と、俺の川蝉を交える事が出来るとはな」


