天神学園高等部の奇怪な面々Ⅹ

ダン!と。

廊下を踏み砕くほどの鋭い足運び。

そこから。

「ぬぅ!」

宜虎の胴打ち!

無論翡翠に見えていない筈がない。

打ち込みに反応した。

片手で木刀を受け止めた。

しかし、受け止めた手が痺れる…!

そう、これが宜虎の地力。

確かに小太刀や脇差は使い慣れていない。

だが、得物を選ばず剣腕を発揮するだけの底力が、宜虎には確かにあった。

そして!

「兄上ぇっ!」

ようやく宜虎に、『勝利の女神』が現れる!