天神学園高等部の奇怪な面々Ⅹ

だが。

「装甲一枚壊すのに、代償が拳片方ってのは高くついたな」

疾風は立ち上がる。

装甲が破壊されただけだ。

ノーダメージではないが、まだ戦える。

胸の痛みも、耐えられないほどではない。

が、龍太郎はそうはいかない。

片方の拳が壊れてしまっては、彼の戦闘力は半減してしまった事になる。

それでも。

「左が駄目でも右がある…拳が駄目でも蹴りがある…」

決して勝負を捨てた様子はない。

ギラギラとした瞳で疾風を見据えつつ、構えを取る。