天神学園高等部の奇怪な面々Ⅹ

当然、生身の拳で殴りつけたのだ。

龍太郎とて無事ではない。

「つぅ…っ!」

左拳を押さえてよろめく龍太郎。

拳の骨にヒビが入るのは当たり前の事。

いや、ヒビ程度で済んだ事は瞠目に値する。

何という頑強な体。

「くっそ…俺のパワードスーツが…」

ヘルメット内に警告音が鳴る。

胸部装甲破損を知らせるアラートだった。

「何てふざけた体だ、普通パワードスーツに殴り勝つかよ?」

疾風は常識外れの龍太郎の身体構造に毒を吐いた。