天神学園高等部の奇怪な面々Ⅹ

先程のパンチの比ではなかった。

廊下を抉り取り、コンクリートの壁にめり込んで、吹き飛ばされた龍太郎はようやく止まる。

「やっべ…やり過ぎたか」

着地する疾風。

多少の怪我は仕方がないと思っていたが、これは少々派手に殴りすぎたか。

「すまねぇ龍太郎、今救急車を…」

パワードスーツに装備された通信機を利用して119番通報しようとする疾風。

しかし。

「サンダーハリケーンパンチ…?」

呟きながら、龍太郎は立ち上がった。

あちこちに擦り傷やら打撲痕が見える。

だがそれを意に介する事なく。

「かっけぇ名前だな!」

龍太郎は厨二病を丸出しにした。