呼びかけるより動く方が速いか。

龍太郎は無言のまま筱萠の体を突き飛ばし。

「ぐぅっ!」

闇の中から伸びてきた鋼鉄の拳を両腕の防御で受け止める!

それでも受け切れなかった。

決して小柄ではない龍太郎の体が、廊下を滑ってコンクリートの壁に叩きつけられた!

「龍太郎、無事か!」

宜虎と美葉が、筱萠やヴリトラ、遥を庇うように立つ。

「問題ねぇ…問題ねぇが…」

青痣のできた両腕をダラリと下げ、龍太郎は歩み出た。

「夏休みん時より強化されてんじゃねぇか?…パワードスーツ…」