イケメン大奥



タイプは違えども、イケメンのふたり。



リアルでは絶対に同時に出会うなんて、ありえない。ひとりだけでも、普通に魚屋に勤めて出会えるとは思えないし。


「もう、両方とも、来れば?」


「では、わたくしは『御年寄』のひとりということで?」


なんか役職につけないと、一緒に来るのは駄目なの?


「わたしは、このキヨが『御年寄』なんて、認めません」


「お前が認めなくても、上様のご沙汰のみあれば、いいんだよ!」


背丈の差があるため、今にもレイの懐に飛び込みそうなくらい、いきがっているキヨ。



近い、ちかい。それ以上、近づくと手が出ちゃうよ。


殴っちゃだめだって。もう、血気さかんなキヨと冷静で皮肉やなレイ。


ふう……。







あたしが大きなため息をついていると、傍近くにいた少年が近づいて来た。