イケメン大奥



「上様、このような無礼で下品な者と相手をするのは、お止め下さい」


背が高いためキヨを見下ろして、レイは冷たく言い放つ。



「なに!?」


キヨはむっとして、例の声を使ってあたしの心に訴えかける。



『あや姫、どうにかしてくれよ。俺、御年寄以上にしてって頼んだだろ?


 お前の傍らに居られるようにしてくれよ……』


どうしよう……。



レイはキヨを睨み付けて


「お前は、また能力をつかって上様をたぶらかして!! 特殊な能力がないと誰からも振り向いてもらないくせに」



と徹底抗戦の構えだし。




ああああ……どうしよ。 


戸惑いつつも、うれしいかも、のあたし。