何をしたか? キヨと共にギャラリーに行って、絵を見ているときに横穴を見つけ、滑り台を滑って、大奥の外れまで行ってました……とは言えず。
話せば長いし、あれはあれで、変な体験だけど、キヨとの思い出は話づらい。
黙ってしまったあたしに、レイは再びささやいた。
「お食事をなさっては、いかがですか」
「ええ……と、お食事をお願いします」
なんか……上から物を言うのに慣れない。かなり頼りない上様だ。
「承りました。何か御所望ですか」
ごしょもう? そんな大層な希望はございません……。
完全にレイにリードされている。
「では……広間で皆とお食事をなされては?」
実際に、ここへ来るまでは、男性たちを従えて楽しく過ごす時間を夢見ていた。
それが実際に来てみたら、やっぱりこの大奥の威圧的な雰囲気についていけない。
「上様?」
レイに促されて、情けなくもあたしは、また流されてしまう。
「食事を……お願いします、皆さんと」


