女性が、たった一人でこの大勢の男性を統べる。
それがこの「女子禁制、大奥解禁」という状態。
「上様」としてうまく命令できずに、また希望を述べただけになっちゃった……。
「承りました」
こんな駄目な上様なのに……、
前列左に控えていた男子2人が、一礼をしたあと、部屋を駆け足で出ていくではないか。
正式に上様であることが男たちに伝えられれば、命令が出来るということかな。
ふうう……。
この世界に来たら、それはそれで面倒くさい事がある。
あたしは挨拶の儀式を済ませ、今日の予定を皆に話す時になって頭が真っ白になる。
そうだ……今日はいったい、何をすればいいの?
仕方なくレイを呼んで、小声で本日の予定について相談する。
「先日、大奥にいらしたとき、何をなさったのですか?」


