イケメン大奥



廊下に出てしばらく歩くと、青い絨毯が敷きつめれた廊下に出る。見慣れた、あの広間に続く廊下だ。




あたしの前を邪魔にならないよう、歩いて案内しているレイ。


決してあたしの目を見ようとはせず、機敏に周囲を見渡しながら歩いていく。



ずらりと両脇に並ぶ者たちは、頭を低く下げて平伏していて、顔ははっきり見ることができない。





控えの間で準備されていた青いロングドレスに着替えて、銀色のミュールを履く。
その後、案内されたのは、見覚えのある大広間。




先日のように、あたしは上様になったことを宣言し、皆の挨拶を受けた。




キヨを助けるために、どのタイミングで命じればいいんだろう。


そう考えながら、おずおずとレイの顔を眺めると、


レイが不自然にも瞬きを何度もしてみせた。



……今……?




「キヨを……牢屋から解放してほしい」


緊張してつまりそうになりつつ、あたしは大勢の男性たちに向かって話した。


皆、あたしに平伏をしているけれど、依然として男性たちが怖い。