イケメン大奥


ようやく、キヨの声を聞いた。


「あの控えの間では、俺は窮屈なんだよね」



あの。喋り方が変わっていますが。


「なに。前の方が良かった?」


えっと。あたしは上様だよね?


「嫌なら丁寧な言葉にします、あや姫」


あたしは、ちょっとポカーンとしてキヨを見てしまった。


「俺は、あの喋り方が嫌いなんだよ」


「なら、いいです」



なんか、今度はあたしのほうが丁寧な言葉になってしまう。